算数でやってほしいこと
算数のテキストは、新しい単元のはじめに例題があると思います。そこに目を通してください。できれば、基本問題を解いてみるとさらにいいと思います。
事前にここまでやるだけで、何を身につけさせたいのかという授業の「ポイント」をつかむことができます。
例えば「整数のかけ算・わり算」では「0を省略する計算」を学びます。2700×350なら、27×35=945と先に計算してから、省略していた0を三つ戻せば945000とミスなく計算できる。事前にテキストを読み、こういったポイントを「なるほど」と“発見”することが、授業への意欲を高めます。
基本問題が解ければもっとやりたいと思うでしょうし、わからなかったら「ちゃんと授業を聞こう」と思うでしょう。それだけで、授業前の準備はOKです。
中学受験を通して身につけたいのは、自分で学ぶ力です。「ここは難しいから、しっかり聞かなきゃ」と考えて授業に臨むのは、その第一歩。先生に質問できたらなお素晴らしいです。中高一貫校に入学後は、自分で学ぶ姿勢が求められます。自立した学習のための準備としても、ぜひ授業の前の予習をおすすめします。
もし予習で興味を持ったらどんどん先に進むといいでしょう。
小学校では、「まだ習っていないから」と先で習う知識を使わせなかったり、上の学年の漢字を書かせなかったりすることがありますが、塾では違います。自発的に学んで難しい漢字を書けることは素晴らしいこと。講師も褒めますし、授業でも子供同士で「こんなこと知っているよ!」と興味が広がるきっかけになります。
合格が近づくノートの取り方は4年生と5・6年生で違う
授業中のノートの取り方も大切です。4年生のうちは、基本的に先生の板書をすべて写すように勧めています。5、6年生になってくると、大事なところや自分の理解があやふやなところだけをメモすることができるようになってきますが、4年生はまだ、どこが大事なのかもわからない。板書の習慣をつけるためにも、すべてを写すようにしましょう。
ノートを取ることで、授業の聞き方が変わります。聞き逃さないように集中しますし、先生がこういうふうに言うときは重要だな、などと授業のポイントをつかむことができるようになってくるのです。
4年生のうちは、塾での学習の「型」を身につける時期だと考えてください。5年生以降、どんどん進度が上がってくるなかで、大事なところだけをメモする効率的なノートテイクに変えていけばよいでしょう。
どんなノートを使えばいいのか
使用するノートですが、小学校で使われるマス目の大きなノートではなく、大人向けのものがいいと思います。私のおすすめは、算数・理科には、5mm方眼のノート、国語や社会は一般的な罫線(7mmの横罫が入ったA罫)のもの。お気に入りのノートを使うことが学習意欲につながるという子なら、好きなデザインを選ばせてやればいいでしょう。親がメッセージを書きこんでやることもおすすめです。
お子さんが寝た後にでも、塾のノートを見て、「しっかり書けているね」「がんばっているね」など一言書いてやるのです。お子さんが好きなスタンプを押してやるだけでもいい。
中学受験の勉強を始めるのは親主導というご家庭も多いですし、お子さんから「中学受験をしたい」「塾に通いたい」と言ったとしても、まだまだ小学生です。内からのモチベーションだけで自発的に勉強に向かうことができる子はそんなに多くありません。日々のがんばりを認めてくれている、と感じることがとても大きな力になるのです。