2007年に民営化した郵政グループにひずみが生じている。西日本新聞の宮崎拓朗記者は「郵便局は局員に対し、はがき販売の過剰なノルマを課していた。ノルマ達成のために、総額100万近くを『自爆営業』した局員もいた」という――。(第2回)

※本稿は、宮崎拓朗『ブラック郵便局』(新潮社)の一部を再編集したものです。

郵便受け
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「自爆営業をしましたか」の問いに、ほぼ全員が「はい」

私が最初に書いた郵便局の記事で取り上げたのが、暑中見舞い用のはがき「かもめ~る」の販売ノルマの問題だった。

この記事を出すと、全国の局員から、かもめ~るや年賀はがきのノルマに関する情報が次々に寄せられた。

「ホンマにせいへんつもり?」

大阪府堺市やその周辺地域の各郵便局には、かもめ~る販売について、郵便担当の幹部社員からこんな題名のメールが送られていた。メール本文には「指標(註・販売目標の意)をやれへん? できない局は、理由を返信メールください! 返信の無い局は達成できると解釈しますので! ええ加減な取組シートを送ってきている局もキッチリと対応を考えさせていただきますので」と強い表現でノルマ達成を求めていた。

千葉県の郵便局でも「売るぞ! 早期達成だ! かもめ~る 『売れません』は言いません。死ぬ気で売るぞ、死なないから。みんなで早期達成! かもめ~る」などと書かれた文書が配られていた。

労働組合がこの局の局員たちを対象に実施したアンケートでは、「あなたは自爆営業をしましたか」という問いに、回答者約50人のほぼ全員が「はい」と回答。「ゆうパック商品20個8万円、かもめ~る5千円」などと自腹で購入した具体的な金額が書かれ、自由記述欄には「日々のプレッシャーで自爆してしまった。精神的にまいってしまう」「毎日毎日、目標達成のことを言われ、早く楽になりたいと思い自分で買った」などと記載されている。