盗難トラブルはわずか「4.4%」だが…

置き配盗難の割合が4.4%だから、「思ったよりも少ないな」と安心してはいけない。

2023年調査では1.9%だったから、2.3倍も増えていることになる。

さらに言えば、置き配サービス「LOCCO」によると、2021年1月~2022年3月間に発生した「盗難」・「紛失」などによる盗難保険の適用率は0.0008%だった。

つまり置き配盗難の発生頻度は、2022年ごろは12万5000件の配達あたり1件という、とても低い水準だったが、直近では23件の配達あたり1件まで、激増している可能性がある。

置き配指定された荷物が盗難された場合、まずはEC・通販事業者など、商品の販売元へ相談することをお勧めする。

これまでは、EC・通販事業者が購入代金の返金や、購入商品の再発送などの補償をしてくれることが多かったからだ。

だが、最近になって、EC・通販事業者が補償を渋るケースが散見されるようになってきた。

いちばん厄介なのは「個人と個人」の取引

その理由として、EC・通販事業者は、盗難を装った虚偽申告を懸念していることが考えられる。例えば、置き配盗難を何度も申告した場合、EC・通販事業者が「これは被害者による自作自演ではないか?」と疑うケースもあろう。

また、配達員が配達完了したことを証明する画像を撮影していることを理由に、補償を渋るケースも見受けられる。

「置き配」完了メールに添付されている画像
メール画面より
「置き配」完了メールに添付されている画像

「配達はきちんと行ったのだから、その後の盗難までは責任を持てない」というのだろう。

厄介なのは、メルカリなどのフリマアプリによる個人間取引における置き配盗難である。

個人間取引では、「代わりの商品を送る」といった代替措置が取りにくいうえ、売り主、買い主の双方が被害者感情をエスカレートさせ、交渉が泥沼化するケースも少なくない。

これは、置き配盗難における責任の所在が、売り主、買い主のどちらにあるのかという法律的な解釈、あるいは社会通念が広まっていないことも一因であろう。