ネットショッピングでの「配達の時間指定」は、積極的に利用したほうがいいのだろうか。物流ジャーナリストの坂田良平さんは「再配達を減らせるので配達現場にとっていいと思われがちだが、配達員のキャパシティをまったく考慮せずに受け付けているため、逆に大きな負担になっている」という――。
Amazonのダンボール
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配達員の傷口に塩を塗り込むひとこと

ECや通販、あるいはメルカリ等の個人間売買のときに、時間指定配達を指定しているあなた。

実は、時間指定配達は、配達員の負担になるケースがあることをご存じだろうか?

また中には、指定した時間から遅れた配達員に対し、「午前中指定だったのに、ずいぶんとのんびりだったんですね」などと、配達員に嫌味を言った経験がある人もいるかもしれない。

配達員は、配達に出発する時点で、ほぼ100%、「これは時間指定に間に合わないかもしれない……」と分かっている。

だが仕方ない。

配達すべき荷物が目の前にある以上、運ばないわけにはいかない。

だから、時間指定に遅れたことを、あなたが責める行為は、過剰な配達ノルマから来るプレッシャーに加え、さらに配達先のお客さまからも責められるという、いわば傷口に塩を塗り込む行為なのだ。

残念ながら、時間指定は配達員の苦労を軽減する万能薬ではない。

時間指定配達の課題と、本当の意味で、配達員の負担を軽減し、配達効率を向上させる方法について解説する。

配達予定がいっぱいでも受付拒否できない

例えば、配達員が10名の営業所があったとする。

ある日、この営業所で18時から20時の間に配達しなければならない荷物が1200個あったとしよう。

2時間で1200個の荷物を10名で配達する――つまり、1人の配達員が、1分で1個の荷物を配達しなければならない。

普通に考えれば、配達できるわけがない。

なぜこういうことが発生するのか?

端的に言えば、日時指定を含む時間指定配送を受け付ける時点で、「この日この時間は、配達予定がいっぱいなので受付できません」と受付を拒否する仕組みが世の中に存在しないからである。