ヒマ潰し消費:日中の稼働率アップでホクホク顔のゲーセン

【アドアーズ】3倍に増えたシニア客/最近、よく姿を見かけるシニアに人気なのは、ルールが簡単で長く遊べる「コイン落としゲーム」などだ。

ゲームセンターが「子供のたまり場」というのは、もう昔の話――。

首都圏を中心にゲームセンターを運営しているアドアーズでは、団塊世代の利用客が急増しているという。「まだ全体の数%程度だが、直近2~3年で2~3倍に増えている。定年になって、レジャーに打ち込む時間が増えたからではないか」と同社の石川宇正・経営企画部次長は分析する。

団塊世代はなぜゲームセンターを遊び場に選んでいるのか? 石川氏は「団塊世代はゲームになじみがあるから」と説明する。団塊世代は、子供や孫と一緒にTVゲーム、ファミコンで遊んだ経験が多い。それに、「プリクラやUFOキャッチャーの導入などで、最近のゲームセンターは家族連れでも入りやすい雰囲気に変わった」(石川氏)。ゲームセンターは、シニアにとっても身近な存在になっているのだ。

シニア客は自宅から通ってくるので、大都市圏の住宅地をひかえた店に多く、週3~4回来店する客も珍しくない。学生や若手ビジネスマンが少ない9~15時に集中するので、店にとってはありがたい存在。この時間帯は客の半分がシニアという店もある。ルールがシンプルで、長時間遊べる「コイン落としゲーム」などがシニアに人気だ。

シニア客をつなぎとめるため、同社の一部店舗では、シニアのメダル会員(ゲーム用コインを店にキープできる)に「コイン増量サービス」を行っている。なかには、シニアに茶菓子を特別提供する店もある。「バーやカジノゲームを備えた“大人のサロン”的なゲームセンターなども構想中」(石川氏)だという。今はまだ“ヒマ潰し消費”かもしれないが、「シニアの社交場」としてゲームセンターが大化けする日も近いかもしれない。