実用ロボット:ヒットの火付け役は共働きファミリー

【セールス・オンデマンド】累計販売35万台超/部屋の中を動き回って掃除をしてくれるルンバ。その愛嬌のある姿を見て楽しむ40代シングルも多いとか。

米国アイロボット社製のロボット掃除機「ルンバ」が日本にお目見えしてから10年たつ。円盤型で、ボタン1つを押すと、触角のようなブラシを震わせ、部屋中を動き回り、床をきれいにする姿はなかなか愛嬌がある。

こうした「あったらいいな」という電気製品を“オプション家電”と呼ぶ。だが、ルンバが身近な実用ロボットになっていることは、04年から日本での正規総代理店を務めるセールス・オンデマンドが、昨年8月までに35万台を売ったことでもわかる。

最初、同社はルンバを百貨店の外商部に売り込んだ。当時は1台10万円ほどで、富裕層を狙う戦略だった。それがいまでは家電量販店の掃除機売り場にも並び始めている。

「珍しい外見なため『これ何だ?』と思われるなか、アーリーアダプターといわれる情報感度の高い人たちが購入した。彼らはインターネットをよく利用しており、クチコミサイトに『出かけている間に部屋がきれいになっている』などと書き込み、それがきっかけで憧れの家電として火が付いた」と営業部販売企画課長の二木晋氏はいう。

そのアーリーアダプターのメーンが共働きや小さい子供のいるファミリー層で、そこには団塊ジュニアも含まれる。インターネットの普及と大学生時代が重なる彼らは、ネットを情報収集手段として活用しており、ピタッとはまったわけだ。

「電気掃除機の市場は年間550万台といわれており、できればその1割を取りたい。人口の多い団塊ジュニア世代は、これからもターゲットであり続ける」と二木氏は強気の姿勢を見せる。