磨けば光る自分:氷河期世代が頼る資格の取得
不惑の40歳をはさむ団塊ジュニア世代は「氷河期世代」ともいわれ、過酷な就職戦線を経験してきた。それだけに、仕事を維持することへの危機感を少なからず持っている。そのことは、管理職に登用されても「このままでいいのか」といった自問自答につながり、「磨けば光る自分」を探そうとキャリアアップへの意欲を高めている。
社会人向けの通信教育がメーンのユーキャン教育事業部の加藤肇部長は「自己研鑚をしているといっても成果は測れない。その点、公的資格を取得できれば過去の成果や現在の努力などが裏付けられる。社内での評価につながり、転職、独立にも役立つ」と話す。
そうはいっても、仕事と家庭があるので、学生時代のように十分な勉強時間は取りづらい。そこで比較的合格を狙いやすく、社会的認知度もある資格に挑戦する傾向が強い。例えば、ユーキャンで人気のある講座を男女別に列記すると、まず男性は社会保険労務士、宅地建物取引主任者、行政書士、マンション管理士。一方の女性はケアマネジャー、介護福祉士、介護事務、保育士といったところである。
「男性はサムライ系、女性は福祉系の資格志向が強いともいえるが、社労士は男女ほぼ半々、行政書士も6対4でやや男性が多い。ケアマネジャーあるいは介護福祉士は、看護や介護に従事している人たちが、現場での必要性を感じて取得している」(加藤氏)
ここでも団塊ジュニアの意欲が目立つ。いずれの資格も35~44歳の層の占有率は3割前後に達する。しかも、人気講座の対前年申し込み数比率は、社労士が12%増、ケアマネジャーが7%増。今後、団塊ジュニアが年を重ねたとしても、このトレンドはしばらく続いていくと見ていいだろう。