6ポケッツ:小学校での英語必須で高まる祖父母の応援熱
日曜日午前中の川崎市内の公共施設のホールの舞台で、未就学から小学校低学年の子供たちが楽しそうに動き回っている。言葉はすべて英語。ドラマを通して英会話を学ぶモデル・ランゲージ・スタジオ(MLS)の12年度バイリンガル発表会の光景である。
その主旨について語学事業教務部ジェネラルマネージャーのジェフ・フチーロ氏は、「英語を話す自信と勇気を持ってもらうことが目的。舞台では、大きな声で発表する、自己紹介をきちんとする、元気に楽しみながら演技をすることが目標だ」と説明する。
この日、子供たちは幼稚園の仲間と遠足に行き、なんとバスが不思議な国に着いてしまったという想定で、日頃から学んだ英語のフレーズを一生懸命声に出していた。それを観客席から熱心に眺める両親と祖父母たちがいる。
そのなかには、4歳になる孫を観るために世田谷区から足を運んだ祖父母の顔もあった。いま62歳だというA氏は団塊シニア。孫の晴れ姿を一目見ようということなのだろう。そんなA氏は「英会話教室の受講料はけっして安いものではない。うちの孫の場合、ワンレッスン2時間、年72回でひと月2万4420円になる。子供たちの家計もそう余裕があるわけではないので、可愛い孫のために私が全額払っている」と当たり前のようにいう。
このA氏の場合は1人の祖父だが、一般的に両親と4人の祖父母で、財布が6つあることを「6(シックス)ポケッツ」という。その潤沢な資金が孫の教育や稽古事、高額玩具やレジャーに回される。特に英語学習は、国際化が叫ばれ、11年度からは小学5、6年生で英語が必須になった。MLSのような幼稚園からの英会話教室には追い風で、6ポケッツのサポートも大いに期待できそうだ。