※本稿は、和田秀樹『仕事も対人関係も落ち着けば、うまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
他の可能性や選択肢を考える習慣を身につける必要性
緊張したり、不安になるなど、気持ちが落ち着かなくなる原因は、「思考習慣」も大きく関係しています。
自分の思考習慣がバイアス(先入観や偏見)となって、不安や緊張を生み出しているのです。
次のような三つの考え方が、その典型的なパターンといえます。
思考習慣①かくあるべし思考
かくあるべし思考とは、物ごとを「こうあるべき」と決めつけて、それに反することは許さないという偏った考え方を指します。
「いくら体調が悪くても、会社を休むべきではない」とか、「仕事が終わらなければ、残業するのが当たり前」など、自分が「こうあるべき」と考える価値観で自分を縛り、他の人にもそれを強要するのが、この思考習慣の特徴です。
かくあるべし思考の人は、自分が思っている通りに物ごとが進まないと、急に焦り出して、不安な気持ちになります。
世の中は予定調和で回っているわけではありませんから、「この道もあるけど、あの道もある」など、他の可能性や選択肢を考える習慣を身につける必要があります。