「ストレスホルモン」は他にもある
最近、われわれの体内には、副腎皮質ホルモン以外にも実は複数のストレスホルモンが存在することがわかってきました。
それがアドレナリンとノルアドレナリンです。皆さんも聞いたことがある名前ではないかと思います。
アドレナリンやノルアドレナリンは、副腎髄質や交感神経末端から分泌されます。どちらも、からだが「さぁがんばるぞー」という「戦闘モード」に入る時にどんと放出されます。
アドレナリンは主に心臓に働いて心拍数や心筋の収縮力を増やし、ノルアドレナリンは主に血管に働いて細い動脈を収縮させ、どちらもこのような作用を介して血圧を上昇させます。
働きすぎると、機能しなくなる
皆さんも経験があると思いますが、運動会のかけっこの前に急に心臓がどきどきしてなんとなくハイになる感じがありましたよね。これが戦闘モード状態なのです。
アドレナリンやノルアドレナリンは作用がお互いによく似ていて、化学的には「カテコラミン」と総称されます。戦闘モードにスイッチを入れるホルモンです。
カテコラミンは獲得免疫の主役のひとつであるT細胞にも働いてT細胞を元気にしてくれるのですが、一方で、これらが働きすぎるとT細胞がかえって疲れてしまい、機能できなくなることが最近わかってきました。
カテコラミンは、作られすぎると、免疫系に対するストレスホルモンとして働くことがあるのです。