俳優・歌手の中山美穂さん(54)が自宅浴室の浴槽内で発見され、死亡が確認された。医師の筒井冨美さんは「年間の浴室内での死亡件数は、交通事故死の2倍以上あります。注意が必要なのはヒートショックだけでなく、飲酒後の入浴には溺死リスクがあり、ブームの“サ活”は心臓リスクが大きい」という――。
年末の突然すぎる訃報
年末が近づき、年賀欠礼ハガキの季節となった。多くは80~90代の父母の永眠を報告するものだが、中には40~50代の現役世代の死去もあり心が痛む。そんな年の瀬にもたらされた訃報だった。
12月6日、俳優・歌手の中山美穂さん(54)の死去が発表された。同日に東京都渋谷区の自宅浴室の浴槽内で発見され、その場で死亡が確認された。当時、自宅玄関は施錠され、中山さんに目立った外傷はなかった。
同日夜には大阪市内でコンサートを行う予定だったそうで、2025年には「40周年ツアー」が予定されるなど精力的に活動しており、体調不良の報道もなかったので、突然の訃報は日本中を大いに驚かせた。
6日午前2時半までは難なくメールを送信していたようで、親交のあった芸能人も「受け止めきれず、うまく言葉に出来ません」「事実を受け入れられない」などの追悼コメントを発表していた。8日、中山さんの所属事務所は遺体解剖の結果を踏まえ、「事件性はないことが確認され、死因は入浴中に起きた不慮の事故によるものだと判明した」と発表した。
注目集まる「ヒートショック」とは
中山さんの訃報とともに、急に検索されるようになった単語が「ヒートショック」である。気温の変化によって血圧が上下し、心臓や脳血管などの疾患が発生することを「ヒートショック」と呼ぶ。正式な病名ではないものの救急救命部門などで広く使用されている。
特に冬場に多く「暖房の効いた居間→寒い脱衣所→熱い浴槽にドボン」など10℃以上の温度差のある環境で血圧が乱高下することは、心筋梗塞などを誘発するリスクが高いとされている。
しかしながら、中山さんの自宅があった渋谷区の超高級マンションで、室内に極端な温度差があったとは考えづらい。