仕事にやる気が出ないときはどうすればいいのか。臨床心理士でキャリアコンサルタントの関屋裕希さんは「やる気はあるかなしかの2種類ではない。モチベーションには4つの段階があることを知って、まずは『イヤイヤでも働く』段階に持っていくことが大切だ」という――。

※本稿は、関屋裕希『モチベーションの問題地図』(技術評論社)の一部を再編集したものです。

疲れた人たち
写真=iStock.com/AH86
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やる気は「ある」か「なし」かだけではない

あなたは普段、モチベーションややる気について、どう表現していますか?

「最近、全然やる気が出ないんだよね」

「なんとなくやる気が出なくて、仕事が思うように進まない」

「やらなきゃやらなきゃと思ってるんだけど、どうしてもモチベーションが上がらない」

「あいつ、全然やる気ないよな。ほんと困ったものだ」

「モチベーションがあると、仕事がサクサク進むわー」

「最近入ってきた後輩、やる気にあふれてて、見てるだけで気持ちいい」

こんな風に、モチベーションややる気に対して、「ある」か「なし」か、そのどちらかだけで捉えていませんか。

じつは、モチベーションややる気には、種類があります。それなのに、「ある」か「なし」の2種類の状態でしか捉えられていないと、どうつきあっていけばいいかもわかりません。

モチベーションは何種類あるか

では質問です。モチベーションには、何種類あるでしょう?

上司向けに、部下のモチベーションややる気をテーマに研修や講演をすることがあるのですが、そのときにも、同じ質問を投げかけています。

グループで少し話し合っていただいてから、答えを聞いてみるのですが、ほとんどの方が、「4種類」か「5種類」と答えます。

「なんだ、わかってるじゃないか!」と思うのですが、普段はどうしても、自分のやる気も相手のやる気も「ある」「なし」で捉えてしまうようです。

次の会話を読んでみてください。この中に、いろいろな種類のモチベーションをちりばめてみました。