退屈な仕事をポジティブにこなすにはどうすればいいのか。臨床心理士でキャリアコンサルタントの関屋裕希さんは「仕事は多すぎても退屈すぎてもメンタルに悪影響を与える。自分の仕事や役割に対する捉え方を見直すことで、仕事は何倍にも楽しくなる」という――。

※本稿は、関屋裕希『モチベーションの問題地図』(技術評論社)の一部を再編集したものです。

部屋の窓際で落ち込む男性
写真=iStock.com/Ake Ngiamsanguan
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「サザエさん症候群」になる仕事

あなたは、休日がそろそろ終わりに近づいてくる頃、どんな気持ちになりますか?

「明日からまた仕事かぁ」とため息をつきたくなっていませんか。

これはサザエさん症候群と呼ばれ、仕事に行く日の朝どころか、日曜日の夕方から、翌日の仕事のことを考えると憂うつになってしまう現象のことです。

その理由は、仕事に「わくわく」できないからではないでしょうか。たとえば、あなたは、こんな仕事にわくわくできますか?

裁量度が低い
担当している仕事は、瓶の検品。仕事の手順はマニュアルできっちり決められている。
自分の前に流れてきた瓶を手に取って、マニュアルに載っている項目を1つ1つチェックしていく。チェックが終わったら、瓶は次のレーンへ。
これの繰り返し。
作業場はクリーンルームで、同僚同士の距離も遠いので、1人もくもくと作業する日々。「自分らしく」工夫を加える余地なんてない。


仕事のマンネリ化(同じことの繰り返し)
毎月、各部署から出てくる数字の集計。前任者から引き継いだ時から、やり方は変わっていない。毎月、同じことの繰り返し。いわゆる定常業務というやつ。しかも、ただの集計作業なので、一度やってみればそのあとは単純な繰り返し。
難易度が低すぎることがストレスになるなんて……。


成長の機会がない
「最近仕事はどう?」と久しぶりに会った友達にたずねられるのが一番困る。低め安定の仕事。特に友達に話すようなネタもない。
友達は、会うたびに大変そうながらも新しい仕事をやっていたり、トラブルがあったと愚痴りながらも、それを乗り切ったあとには、ひと回り成長している様子があったり。
この数年、変化がないのは、もしかして自分だけ……?