日本より高い「月給27.1万円」で外国人労働者を集める

韓国政府は外国人労働者の受け入れを急拡大している。雇用許可制を緩和し、21年に5万人程度だった年間上限を、23年には12万人にまで引き上げたほか、24年には16万5000人まで拡大する計画だ。

日本や台湾との人材獲得競争に勝つため、賃金も高く設定されているという。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、22年時点で日本の技能実習生の月給が21.2万円、特定技能が24.6万円なのに比べ、韓国の低熟練労働者(製造業)は27.1万円と高い。台湾は低熟練労働者(製造業)では14.3万円と大きく水をあけられている。

直接投資額で韓国がアメリカ、日本を抜いて第3位

嫌韓感情がインドネシアで高まっている現象について冒頭に紹介したが、その背景として、インドネシアにおいて韓国の経済的なプレゼンスが高まっていることもある。

JETROのレポートによると、2023年の韓国によるインドネシアへの直接投資は、2004年に比べて約30倍になっている。2024年第2四半期の直接対外投資では韓国が13億米ドルと、アメリカの9億米ドル、日本の8億米ドルを抜き、シンガポール、中国に次ぐ3位となった。

インドネシアのバフリル投資調整庁長官(当時)は「韓国が日本を抜いた。いつもは日本の方が投資額が多いので、これは非常にダイナミックだ」と驚いたという。

これに加え、K-POP、韓国ドラマなど文化面、ソフトパワーも強いため、インドネシアにおいて日本の存在感が相対的に弱くなっている感は否めない。

インドネシアやタイにおいて嫌韓感情がクローズアップされるのは、このように韓国の経済力が伸び、国外でのプレゼンスが高まる中で生まれているものだろう。

こうした問題は日本人が経験してきたものでもあり、現在でも自重した振る舞いが求められるのは言うまでもない。他山の石とすべきだろう。

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