行政の推奨は3日分の備えだが……

大規模災害が発生して被災地に食料などの公的支援が届くまで、どれくらいの時間がかかるのか。行政は3日分の備えを推奨しているが、支援物資が3日で届く保証はどこにもない。たしかに避難所までは、それなりに早い段階で物資が届く。しかし、阪神淡路大震災が起きたとき、町内会で物資の配布が始まったのは1週間過ぎたころだった。東日本大震災も同じだ。一般家庭に公的支援がくるまで約200時間。それまで自力で生き抜くための備えが必要だ。

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災害後、自宅での生活を支える防災グッズの選び方

水や食料は、最低でも家族が1週間過ごせる量を備蓄すべきだ。保存性の高い非常食として乾パンを用意している人は多いが、とくに好きでもないものを食べ続けても元気は出ない。いまは水を入れるだけで食べられるアルファ化米や水戻し餅、紐をひっぱると温まるカレーライスなど、バラエティに富んだ非常食が市販されている。家族がそれぞれ自分の食べたいものを選んだほうがいい。

注意したいのは保管場所だ。奥行きの深い棚などに保管していると期限管理が難しく、いざというとき賞味期限切れのものばかりだったということになりかねない。奥行きの浅い棚に並べて、期限をマジックで書くなどの工夫をしたい。

期限の近づいた食品は、近所の人と一緒に非常食パーティーを開いて消費するといい。これには隣近所を巻き込んで地域ぐるみで備蓄するという目的もある。災害時、まわりはおなかをすかせているのに、自分の家だけ食事しているという状況は何かと具合が悪い。隣近所の防災意識を高めるのに、非常食パーティーはもってこいだろう。