睡眠の質を高めるには、何をすればいいか。日本睡眠学会理事で医師の櫻井武さんは「眠いのになかなか眠れない人のなかには、寝室の環境をないがしろにしている人も少なくない。睡眠の質を高めるには、寝室の快適な温度と湿度が不可欠だ。またある調査では、寝室に多くの木材などを使っている人は、寝室で安らぎや落ち着きを感じる割合が高いこともわかっている」という――。

※本稿は、櫻井武『すぐに実践したくなる すごく使える睡眠学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

睡眠と時間の概念
写真=iStock.com/maurusone
※写真はイメージです

「90分周期」という睡眠神話

睡眠にはさまざまな誤解や、睡眠神話があります。

その1つが、「睡眠のサイクルは90分周期」というものです。目覚まし時計をセットするときに「90分単位」、「1時間半を1サイクル」で考える人がいます。また「3時間寝れば大丈夫」と思い込んでいる人もいます。

「神話なの? 私も実践しているのに……」と思った方もいるかもしれません。日中のパフォーマンスが低下しない、昼間に眠気が襲わないのであれば「90分周期」という睡眠神話を信じ続けても良いでしょう。

たとえ非科学的ではあったとしても、自分にとって快適な睡眠が得られているのならば、さほど気にする必要はありません。

しかし、ふだんぐっすり眠れていないのに、この「90分周期」にこだわりすぎてしまうと、かえって不眠に陥ってしまう可能性があります。