起床後に脳と体を活動モードにするにはどうすればいいか。日本睡眠学会理事で医師の櫻井武さんは「寝起きが悪いことに、『低血圧だから』という医学的な根拠はなく、その日の睡眠が十分でないことがもっとも大きな要因の1つだ。起きてすぐの行動で体と脳を“活動モード”にさせるには、たとえばコップ1杯の白湯を飲む、起きてすぐに冷たいタオルを首や足にあてるなどするといい」という――。
※本稿は、櫻井武『すぐに実践したくなる すごく使える睡眠学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
「低血圧の人は朝が弱い」に医学的な根拠はない
朝の目覚めの善し悪しは、睡眠の質を確かめる1つの目安です。
スッキリ目が覚めて、体調も万全ならば、その日の睡眠がある程度、満足のいくものだったことが考えられます。朝食を摂って会社に向かえば、その日は、高いパフォーマンスが期待できるでしょう。朝が苦手で寝起きが悪いという人も多いですよね。
朝が苦手な理由に「低血圧」を挙げる人がいますが、「低血圧の人は朝が弱い」という医学的な根拠はありません。寝起きが悪いのは、低血圧によるのではなく、生体リズムや自律神経のバランス、睡眠不足、睡眠の質の低下などが影響しています。
その日の睡眠が十分でないことがもっとも大きな要因の1つで、寝起きが悪いままでは日中の仕事にも影響してしまいます。
起きてすぐの行動で体と脳を“活動モード”にさせる方法を知っておくことは、現代人にとっては必携の手段です。
ベッドから出て、両手両足を伸ばして全身に血液を行き届かせるようなストレッチをするのも良いでしょう。伸びをすることで、寝ている間に硬くなった筋肉がほぐれます。起き上がって太陽の光を浴びながら、手を肩よりも上に背伸びするのも効果的です。