カマラ・ハリス米副大統領のソーシャルメディアを利用した選挙活動は絶好調だ。それは偶然の産物ではなく、きわめて明確な対若者戦略に基づいて行われているようだ。
7月21日、ジョー・バイデン大統領が退任し、ハリスが今年11月の大統領選挙において民主党候補となることが発表されると、カマラの選挙チームはすぐに動いた。数時間のうちに、@BidenHQのソーシャルメディア・ページは、@KamalaHQに姿を変えた。これまでのところ、ハリスに関する投稿はTikTokとインスタグラムでおおいにバズっている。
実際、CNNの数字によると、@BidenHQのTikTokへの投稿は335回で、1回あたりの再生回数は約50万回だった。これに対して、@KamalaHQは7月から1投稿あたり平均600万再生されている。
ライトファインダー・パブリックリレーションズの創設者グレイス・マコーミックが本誌に語ったところによると、ハリス陣営が若い有権者をターゲットにソーシャルメディアを活用していることは間違いない。彼らは、Z世代(1997年から2012年生まれの若者)の心に訴える方法について「微妙なところまで理解」を示しているという。
リアルタイムで同調
「ブラット(悪ガキ)・サマー」のような若者の流行に乗ったり、ココナッツの樹の絵文字をミーム化して人気を集めたり、とハリスのキャンペーンはZ世代とのつながりを築き、彼女の人気を高めている、とマコーミックは言う。
「ハリスのSNS戦略が成功している理由のひとつは、即応性と対応力だ。Z世代はリアルタイムの交流や本物を重視している。ハリス陣営は、選挙運動がこの瞬間の若者文化に同調していることを示すために、トレンドのトピックに素早く乗ってきた」
「このアプローチは政治家に人間味を与え、親近感を抱かせる。Z世代と同じデジタル空間に参加し、同じ言葉を使うことで、世代間のギャップを埋め、政治家は遠い存在だという固定観念を取り払うことができる」
ハリス陣営は、オンラインで若い有権者を取り込むだけでなく、それぞれのプラットフォームに合わせたコンテンツを用意している。TikTokではキレのある動画で注目を集め、インスタグラムでは舞台裏を見せる趣味のいいコンテンツを提供している。
バズりやすいコンテンツを提供し、さらに各プラットフォームが提供するユニークな機能をフルに活用すれば、SNSの効果を最大限に発揮できる。