子供の就職などにめどが立ってからの移住がいい

別の角度からも考察しました。前出の賃金構造統計調査と、この大学短大進学率の順位相関係数を計測したところ、0.832という非常に高い値になりました。端的に言えば、2つの値だけで判断するならば親の賃金が高ければ、子供の大学短大進学率も高いということになります。

筆者の知人は、東京で子供が大学を卒業し就職が決まったことを機に移住を決めました。学費・生活費などの負担が減り、親はかなり身軽になったわけです。大都市暮らしで、これから子供に高等教育を受けさせたいのであれば、地方移住は子供の就職などにめどが立ってからのほうが決断しやすいかもしれません。

〈番外編〉

地方は大都市に比べてたいていの生鮮食品の産地が近く、食生活を充実させることも可能ですが、私が移住した先の場合、炭水化物と塩分が多いインスタント麵などの摂取量が多く、その結果、生活習慣病になる人が多いと聞きます。

その影響か、平均寿命は男女とも全国最下位という現状です。これは、ローカルニュースでも毎年報道され、行政も課題ととらえているようで、県や市町村が短命県解消のための啓蒙活動をしています。

とはいえ、どの県であれ、食習慣や疾患リスクのある人が第5位に挙げた高度な医療設備のある病院からあまりに遠い地域に住んだら、万が一の場合、死のリスクが高くなる恐れもあります。のんびりとした雰囲気を味わいつつ、自分を適度に律することができる方のほうが地方移住には向いているとも言えます。

【関連記事】
【関連記事】首都圏の2倍の料金に目がテン…「移住10年」でわかった"日本一の短命県&生活費バカ高"のカラクリ
エアコンは「6畳、10畳、14畳」以外買ってはいけない…一級建築士「8畳の部屋は6畳用で十分といえる理由」
1都3県で「衝撃の格差」が生まれている…これから「資産価値が上がる街」と「下がる街」大解剖
河野太郎氏は「デジタル」をまるで理解していない…大失策のツケを地方に丸投げするデジタル大臣の呆れた実態
「お母さん、ヒグマが私を食べている!」と電話で実況…人を襲わない熊が19歳女性をむさぼり食った恐ろしい理由