第2位 人間関係構築力が必須

筆者の父は転勤族でしたので、自分が幼いころから転居が珍しくありませんでした。

しかし、どんな地域にも産まれてから今まで引っ越しすらしたことがないという方が必ずいらっしゃいます。それは地方には大都市より多いように感じます。

そのような方は、「よその地域」をご存じありません。そして、そのような方には生まれてから暮らしてきたその地域が生活のスタンダードです。ほかの地域で暮らしたことがないのですから当然です。

移住者は、このような「長く当地に住んでいらっしゃる」方たちが持っている知識や情報を上手に利用できると、快適に暮らせます。平たく言えば、「ご近所づきあい」が適度に上手かどうかで、地方暮らしの快適度が異なるでしょう。

一方、ちょっとしたことでも「私がかつて住んでいたところでは……」と比較してしまうと、「よそ者さんはね……」みたいな印象を持たれてしまう恐れがあります。「郷に入っては郷に従え」とはよく言ったもので、「ローカルルール」を尊重する人間力が大事だと思います。ご近所さんから「教えを乞う」気持ちが大事です。

第1位 収入と日々の暮らしのギャップ

厚生労働省の賃金構造統計調査(令和4年)の都道府県別の月別賃金比較を見ると、全国平均は31万1800円で、平均を超えているのは、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県の5都県だけでした。単純な話、この5都県以外で暮らすなら、収入は平均より低くなることを覚悟したほうがいいということです。

筆者も移住して働き始めたとき、収入がダウンしました。ただ、約2倍になった水道代をはじめ光熱費が上昇した一方、それ以外の出費は減りました。なぜなら、仕事が終われば寄り道することなくまっすぐ帰宅し(店の閉店時間がたいてい早い)、首都圏時代は多いときでスタジアムでのサッカー観戦を年30試合していたものがほぼゼロになったからです。仕事帰りにどこかで飲食をすることもほとんどなくなりました。多くの方が自家用車で通勤しているため、今日どこかに立ち寄って一杯なんてお誘いを受けることもほとんどありません。そのため収入が低くなっても月の収支が赤字になることはありませんでした。