「頭のいい子」に育てるにはどうすればいいのか。小児科医の成田奈緒子さんは「子供の学習力を伸ばすには家庭での学習が最適だ。子どもに習い事をさせる場合は、親も一緒に参加して楽しめるものがいい」という――。(第3回)

※本稿は、成田奈緒子『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)の一部を再編集したものです。

公園の夕焼けの光の中で幸せそうな家族
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過度な習い事は子どもの成長を妨げる

少子化や共働き家庭の増加により、子ども一人当たりの教育費は増加傾向にあります。

ひとりっ子ともなれば、そこに向けられる情熱は「絶対に失敗できない」という強迫観念と表裏一体になり、お金や時間が惜しみなく注がれます。わが子により良い教育を受けさせようと、幼少期から週5日、毎日違う習い事に通わせる親も珍しくありません。中には1日2件の習い事をはしごするなど、忙しい毎日を送っている子どももいます。

しかし、子どもの脳の発達を考えるのであれば、家庭生活そのものが脳を最も刺激し、子どもの得意なことを伸ばすのに最適な場所だと言えます。幼少期から発達する「からだの脳」に加え、小学生以降は「おりこうさんの脳」が本格的に、そして「こころの脳」も育ち始めます。

家庭では、毎日のルーティンの中で、同じメンバー間で決まった言動が繰り返し行われますが、これが子どもの「おりこうさんの脳」や「こころの脳」を育てる重要な刺激となります。親の言葉や表情、物事の捉え方や子どもとの接し方などが、学習塾や習い事よりもずっと大きい部分で子どもの脳育てに影響を与えるのです。