読みたいと思った本は、全部読み尽くす。 松岡正剛氏に長年にわたって師事した太田香保氏に、多読術の極意を聞いた。
机の上に積み重なった本と図書館
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「速読」だけでは本の「早食い」で終わる

もっとたくさんの本に出会いたい――。そうした思いから、「速読」に飛びつく人は多いでしょう。ただ、何でもかんでも速読で読むのは、どのような料理も早食い競争の勢いで口に入れるのと同じ。それが本当に読書になっているのかどうか疑問です。

記憶と想起、選択と行動、認識と表現といった、情報の出入りのあいだにひそむ営みをすべて編集と捉え、その編集の仕組みを明らかにし、社会に適用できる技術として構造化する「編集工学」。その提唱者である松岡正剛(2024年8月12日逝去)は「読書とは本と交際することである」と説いています。