冗談で「うちは貧乏だから」と言うリスク

お金の価値観も同様で、親からの影響を強く受けます。ネガティブな価値観は、子どもに経済的な不安を植え付け、お金のコンプレックスを生み出します。時には、進路やキャリア形成においても大きな障害となるでしょう。ここでは「うちは貧乏だから」という親の口癖を掘り下げて解説します。

家計の状況が苦しい場合は、思わず言ってしまうことでしょう。厄介なのは、さほど経済的に困っていないのに言ってしまう場合です。たとえば、過去に経済的に困窮した経験から「ない状態」に意識を向け続けます。

このような欠乏感に囚われていると、「お金に縁がない」といったネガティブな価値観が形成されていくのです。また、お金とセルフイメージを結びつけて、「どうせ私は貧乏人の子だから、この程度の職業・住環境・服装でいい」など、自分の価値を低く見積もったり、将来の可能性を限定したりすることがあります。

そして、お金を使うことに対して過度な罪悪感を抱き、必要以上にケチケチするマネー習慣が身についていきます。またセール品を見ると、「安いから買わなければいけない」という強迫観念にかられ、結果的に浪費してしまう人もいます。

「お金=ネガティブ」と刷り込む口癖

「うちは貧乏だから」以外にも、気をつけたい口癖の例をご紹介します。

「お金があると不幸になるのよ」
口癖の背景:金銭感覚の違いで両親が不仲、離婚したなど
お金の価値観:お金は不幸のもと
マネー習慣:お金を持っていたくない


「お金、お金って恥ずかしいわ」
口癖の背景:お金は汚いものとして育てられたなど
お金の価値観:お金は諸悪の根元
マネー習慣:お金の話題を避けたがる

親自身がロールモデルとしてお手本を示すことが、最も効果的です。自分のお金の価値観を見直し、マネー習慣を整えることから始めましょう。

口癖はつい無意識に出てしまうもの。そもそもの考え方を改めなければ、根本的に直すのは難しいものです。そのためには、その癖はどこからきているのかを突き止めると、改善しやすくなります。