男性をCTスキャンしたところ、脳内の複数の動脈が一時的に収縮していることが判明したという。医師たちはこれを、トウガラシの摂取により雷鳴頭痛を生じた初のケースだと判断した。

BMJは、「彼の症状は、ホットペッパーコンテストでキャロライナ・リーパーを食べた直後に始まった。実際の嘔吐には至らなかったが、空嘔吐(吐瀉物を伴わない嘔吐感)を生じた」とまとめている。

本来は、胃腸の不調に効く伝統的な治療薬だったのに…

このように、ブートジョロキアの摂取は、さまざまなリスクを伴う。

たしかにブートジョロキアはトウガラシであり、本来は食品だ。インドでさまざまな方法で利用されている。インド主要英字紙のヒンドゥスタン・タイムズは、カレーに少量を入れるだけで風味が格段に変化するほか、胃腸の不調を治す伝統的な治療薬としても利用されていると紹介している。さらに、夏の厳しい暑さに対抗するためにも食べられているという。

ハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)を歩く人々
写真=iStock.com/szefei
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英メール紙によると、イギリスのスーパー「テスコ」でも2011年、ブートジョロキアの販売が開始された。このように、食用されている例も存在する。

だが、スコヴィル値でハラペーニョの最大8000倍とされるなど、摂取には危険を伴う。安易に手を出すと救急搬送された高校生たちのように、痛い目を見ることだろう。

激辛ブームに流されることなく、安心して食べられる「旨辛」や「ピリ辛」の範囲に留めておくことが、トウガラシと楽しく接するコツと言えそうだ。

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