「脱衣所内のトイレ」は入浴中にトイレが使えない

また、リビング内の家具の配置を、なるべくトイレのドアが視界に入らないように工夫することも大切です。

ソファーでくつろいでいるときや来客中に、水が流れる音とともに正面でトイレのドアが開いたら気分は台無しですよね。

洗面所や脱衣所のドアがリビングに面している間取りでは、リビングからトイレのドアが見えないようにと脱衣所内にトイレのドアを設置することがあります。

トイレが2カ所あればそれほど不便は感じないかもしれませんが、年ごろの子どもが入浴中だったりすると、トイレが使えなくなる可能性大です。

【図表2】洗面・脱衣所にトイレがつながっている場合
出所=『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)

育児や介護には最適

来客者をトイレに案内する際、脱衣所を見られるのもよいものではありませんよね。

湿気が多くてニオイがこもるところでもあるし、洗濯物が山積みになっていることもあるでしょう。来客者にも気をつかわせてしまいます。

とはいえ、育児中は脱衣所内にトイレがあったほうが便利だったりします。子どもはなぜか服を脱ぐと「おしっこ!」といいだします。また、高齢者の介助をする際もこの間取りは最適です。

印南和行『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)
印南和行『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)

脱衣所内にトイレを設置したい場合は、図表2下図のように洗面所と脱衣所に仕切りを設ける方法もあります。

水まわりの面積を広くする必要がありますが、長い目で見ると便利に使用できる間取りです。壁で仕切らなくても、必要なときだけカーテンを閉められるようにしてもよいでしょう。

リビングにつながったトイレについては、さまざまなデメリットを家族で共有し、話し合って計画することが大切です。これまでトイレとリビングが離れている住宅で暮らしていたご家庭では想像がつきにくいので「考えすぎだろう」といわれるかもしれませんが、毎日のことなので、ストレスを抱えないよう注意してください。

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