自分の「労働価値」は一体いくらなのか。ゲームデザイナー・作家の芝村裕吏さんは「スマホ1台で計算することができる」という。著書『関数電卓がすごい』(ハヤカワ新書)より、「転職計算」という思考法と実践法を紹介する――。
ビジネスと金融の上下
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スマホを横にすれば、人生が変わる

お手持ちのスマートフォンの電卓アプリを開いて、横に倒してみてください。関数電卓になるのを知っていましたか?

iPhoneシリーズの電卓アプリを横画面にすると
出所=『関数電卓がすごい』p.13

関数電卓とは文字通りに関数を扱うことができる電卓です。普通の電卓では面倒くさい計算を簡単にやってくれるために大変便利な道具で、日本以外ではかなり普及しています。

私の場合ですと、関数電卓がないと仕事になりません。ゲームデザイン業も作家業も、個人事業主としても、関数電卓がないとたちまちのうちに窮地に陥ってしまうでしょう。

実際、関数電卓は生活のあらゆる場面で役立ち、これの使い方を知っているのと知らないのとでは人生が大きく変わると思っています。この記事では「転職計算」を例にとってみます。

あなたの「労働価値」を知る計算式

一般に労働者が収入を大きく増やす方法は転職で、少し増やすなら兼職です。

問題は自分の労働価値がどれくらいあって、それを必要とする場所にうまく行けるか、になります。

戦後の日本人は一般に自分の労働価値を考えようともしません。このため、かなり低く買い叩かれている現状があります。日本という国を悪くしている理由のひとつですので、ぜひとも自分の労働価値を考えたり計算したりするようにしてほしいものです。

この計算式ですが、基本的には非常に簡単です。

自分の労働価値=今の自分の給料

これだけです。電卓もいりません。支給総額25万円の人は月25万円の労働価値というわけです。

問題はこれが高いか低いかで、市場に自分が出たとき、高ければ給料が上がりやすくなり、低ければ給料が下がりやすくなります。