年齢を重ねると、価値は下がっていく

転職して給料を上げられるかどうかを運次第と言う人もいますが、これはあまり正しくはありません。全然間違っているわけではないですよ。何も考えずに突き進めばそれは確かに運次第です。でもまあ、普通に生きるなら運を天に任せるのは人間がやるだけやったあとのほうがいいでしょう。

また自分のことを他人任せにするのもおすすめできません。転職業者やコンサルタントを使うにしても、一旦自分で計算したほうがいいでしょう。なぜなら、騙されることが多いためです。

騙すという表現が悪ければ、転職業者にお金を出しているのは求人企業であって、彼らは安くていい人材がほしいわけですから、求職者を買い叩くのはある意味使命、仕事に忠実な結果です。あなたが求職者であるのなら、この事実は無視してはいけません。

まず大切なこと。通常、異業種に移る場合は年齢が足かせになります。年齢はあなたの価値を下げるわけです。また同業種でも40歳を境に労働価値が下がります。

この事実を受け入れられずフリーランスになる方もたくさんいらっしゃいます。それはそれで間違ってはいないんですが、安易にフリーランスになると稼げるお金が単純に減ります。手取りが多少増えたにせよ、退職金やボーナス、社会保障費などを考えると、本当にフリーランスが得かどうかはぜひ計算していただきたいと思っています。

何もしない場合の低下率=年3%が基本

ということで、計算の方法です。

一般に自分の労働価値は何もしないと年3%ずつ低下します。新しいスキルを身につけていない、手の抜き方ばかり覚えている、社内政治能力ばかり高めている年があったりすると、これになります。

労働価値=今の自分の給料-労働価値の低下率3%(勤続年数)

(勤続年数)は指数ですね。同じ掛け算が連続する場合に使います。0.97×0.97×0.97……というのを指数で表現するとスマートになります。0.97³ですね。ちなみに元の数字を底(ベース)といいます。

関数電卓の場合は【yx】のボタンがあるものを使いましょう(違う表現もありうるので説明書を見てくださいね)。

関数電卓のボタン
写真=iStock.com/RapidEye
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