複利もあっという間に計算できる

さて、この価値向上も指数で計算できます。3%なら1.03xですね。10年間仕事をしているなら1.0310で、1.344倍になります。何もしないで83%の価値になったケースと比べれば差は明らか、というものです。労働者の商品は自分なのですから、価値を高めて高く売りつけなければなりません。

yxは金利計算にもよく使われて、複利計算の基礎になります。

金利5%の預金(ドル建てならありえてしまう数字です)で12年の場合は1.0512=1.796倍になります。

利子のグラフに合わせて積み上げられた硬貨の上に更に硬貨を重ねる男性
写真=iStock.com/Jinda Noipho
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指数計算は関数電卓でもよく使う機能ですので、押しやすい位置に配置してある関数電卓は実用性が高いということができます。普通の電卓で同じことをやろうとすると何度もキーを叩くことになるので、このあたりからが関数電卓のありがたみを感じる部分になります。

1.05と入力した後で【yx】を押し、次に12を入れて【=】を押します。それで計算できます。

「社会に出たら数学は使わない」はウソ

数学にせよ計算にせよ、人の生活に密接に紐づいています。

これはよく言われる言葉なのですが、実体験ではそう言われてもピンとこない方も多いと思います。

なぜかというと、商売になるからです。

この世の商売の7割は、数学を嫌がる人に対して数学を提供するものだからです。

こう書くと、そんなに数学って世の中にあるっけな……と思う人もいると思いますが、あるんです。

あまりもったいぶらずに書きますと、数学も計算も数字を扱うものです。そんなこと知ってるよと思われるかもしれませんが、その数字こそが世界中に溢れているのです。あなたの給料は数字で表現されていますし、時間も数字です。テレビの視聴率もスマホのギガも、料理に使う分量も、お役所の予算配分、みなさんの税金、みんな数字です。

これを使うのが数学であるとすれば、私の7割という説明はそこまで過大な見積もりではないことがわかっていただけるのではないかと思います。

だからこそ、数学にせよ計算にせよ、人の生活に密接に紐づいている、という言葉になるわけですね。