透析に入った患者の約4割は5年以内に亡くなっている

しかも、そうした治療を1日おきに週に3回受けねばなりません。かつ、この治療は、一度始めたらやめることはできません。

当然、仕事や家事を今までのようにやるのは不可能だし、旅行にもほとんど行けません。それほど大変な思いをしても、透析に入ると4割くらいの患者さんが5年以内に亡くなってしまいます。

こうした事態に繫がりかねない糖尿病は、みなさんが想像しているよりもずっとやっかいな病気です。

糖尿病をひとたび発症すると、糖質への感受性コントロールがきかなくなります。少し糖質を摂っただけで血糖値が急激に上がってしまい、もう健康な状態には戻りません。

糖質制限をすれば、そのときの血糖値は正常に保たれますが、それは糖尿病が治ったのではありません。糖尿病は一度罹ったら、ずっとつきあっていかなければなりません。

がんや心筋梗塞のリスクも上がる

また、前述した3つの合併症だけでなく、糖尿病があるとがんや心筋梗塞、脳卒中、認知症、骨粗鬆症、歯周病などのリスクが上がることがわかっています。

牧田善二『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)
牧田善二『疲れない体をつくる最高の食事術』(小学館)

ですから、糖尿病には罹らないのが一番。そのために、自分の血糖値の状態と、そこからくる疲労について無関心でいてはなりません。

血糖値の乱高下が理由の慢性疲労があるのに、その根本原因に気づかずにいたらどうでしょう。「疲れを取るため」と、さらに甘い物を食べたり、エナジードリンクを飲んだりすることでしょう。

その結果、本格的な糖尿病になり、やがてそれをひどくして腎臓をダメにしかねません。

慢性疲労の原因を正しく理解し、対処することが絶対に必要なのです。

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