体の中が老けることで見た目が老けていく

初めに伝えたいことは「老け顔は早死にする」ということです。見た目が老けている人は寿命も短いのです。

南雲吉則氏
南雲吉則 Yoshinori Nagumo 1955年生まれ。東京慈恵医科大学卒業、東京女子医科大学病院形成外科、癌研究会付属病院外科、東京慈恵医科大学第一外科乳腺外来医長を経て、乳房専門のナグモクリニックを開業。『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』(中経出版)など、ベストセラー多数。

デンマークの首都コペンハーゲンで1975年から2011年にかけて行われた「コペンハーゲンシティ・ハート・スタディ」という研究は、どのような生活因子が死亡率と関係しているのかを調べたものです。その結果、「老け顔」の人は、さまざまな病気のリスクが高いことがわかったのです。

例えば心筋梗塞のリスクは57%も上昇していて、心臓病のリスクも39%上昇していました。では、具体的にどのような見た目の人が心臓病などのリスクが高くなるのか。それもいくつかの指標が出ています。

1つ目の指標は、前頭部脱毛および頭頂部脱毛。つまりハゲのことです。おでこがハゲている人は40%、頭頂部がハゲている人は14%、それぞれ心臓病発症のリスクが上昇していました。

なお、ハゲと病気のリスクに関する研究はこの研究以外にも行われています。40歳以下のインド人男性を対象に、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈心疾患の患者790人と健常人1270人を対象に比較した研究によれば、ハゲの男性は心臓疾患のリスクが5.6倍にもなることがわかりました。

このほかにも06年から08年にかけて1100人の前立腺がん患者(そのうち約600人が進行がん)を対象に行われた研究では、ハゲの男性はそうでない男性に比べて前立腺の進行がんの発症確率が39%高いことがわかったのです。

ほかにも外見的に老けて見えることが、そのまま早死にに直結することがいくつかあります。日本人にはあまり多くありませんが、高齢者で鼻の付け根に近い部分のまぶたがぷっくり膨れている人がいます。これは眼瞼黄色腫がんけんおうしょくしゅと言って、脂肪の塊がまぶたの内側に溜まっている状態です。これがある人は心筋梗塞のリスクが1.48倍、狭心症など、その他の虚血性心疾患のリスクが1.39倍になるという結果があります。

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