TBS日曜劇場の強さ

実はTBSの日曜劇場は、「アンチヒーロー」に限らずこのところ連戦戦勝となっている。

過去1年を検証してみよう。

【図表3】個人視聴率1位ドラマの傑出率~2位ドラマに対する各層の比率~
スイッチメディア「TVAL」データから作成

23年春からの4作は、すべて個人視聴率で1位だった。

福山雅治「ラストマン-全盲の捜査官-」(23年春)、堺雅人「VIVANT」(23年夏)、鈴木亮平「下剋上球児」(23年秋)、西島秀俊「さよならマエストロ~父と私のアッパシオナート~」(24年冬)だ。

2位はいずれもテレ朝の刑事ドラマだった。

それらの各層視聴率を1として、日曜劇場の数字を指数化すると図表3のようになる。一目瞭然、23年夏「VIVANT」の傑出ぶりが際立つ。阿部寛・二階堂ふみ・松坂桃李・二宮和也・役所広司など、超豪華俳優陣が集結し、前例のないエンタメとなった点が大きかった。

23年秋と24年冬は、ヒットシリーズ「相棒」が2位だったために、傑出ぶりは少なめだった。特に60歳以上では後れをとった。それでも「19歳以下」「20~30代」「40~50代」では1.4~1.7倍となっており、今春「アンチヒーロー」と同様、幅広い層に支持されるドラマが続いているとわかる。