多額の現金を自宅で保管することに懸念を抱く人もいる。「金融についてきちんとした教育を受け、まともなツールを持っていなければ、キャッシュ・スタッフィングは特に資産を増やすためには使い続けられない」と、未公開株式投資会社オルタナティブ・ウェルス・パートナーズのケリー・アン・ウィンゲットCEOは言う。
「インフレ率が高まれば、封筒に入れたままの現金は日々価値を失う」
TikTokでも人気の経済評論家エリカ・クルバーグは、現金を使う人は銀行が提供する保護の一部を放棄していると言う。「デジタルマネーの利用をやめるのには懸念がある」と彼女は語る。「現金取引は面倒だし、デジタル決済のように詐欺を防止する機能もない」
エクスペリアンのグリフィンは、現金ばかり使う若者はクレジットスコアが高くならないため、住宅購入のような将来の機会をものにできない可能性があると言う。
「若い世代には遠いゴールに思えるだろう。でも若い時のお金の使い方が、そんな目標を実現させたいときに影響してくる」
当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら