仕組みが気になる「法則型」とプロセスを重視する「理想型」
「法則型」は、物事や社会の仕組みを、自分なりに理解することに関心をもっており、なぜそのようになっているのかを分析しようとする。一歩引いたところから物事を眺めるというニヒリスト(虚無主義者)的な側面もあるが、自主的に行動するタイプでもある。他方で、自分は何をしたいのかが明確ではない。
そして「理想型」は、自分が追い求める理想が明確で、誰にも指示されず、自分で考えたとおりに行動するのが好きなタイプである。お金や権力に惑わされず、反骨精神をもって、自分らしい生き方をする。理想のために手段を選ばないという生き方ではなく、理想に到達するまでのプロセスを重視しているとされる。
以上の四つのタイプは、二つの軸を用いて作成した4象限のなかに位置づけることができる(図表1参照)。
一つの軸は、外向的で他者志向的なタイプか、内向的で自己志向的なタイプかを区別するものである。もう一つの軸は、人生の目的が具体的な人か、抽象的な人かを区別するものである。
ここで、人生の具体的な目的とは、数値化した目標の実現を図るような場合の目的のことを指す。これに対して人生の抽象的な目的とは、「真理や愛やパワー(権力)のために」といった、目標を数値化することが難しい目的のことである。
4タイプにはそれぞれの相性がある
これらの二つの軸を組み合わせると、四つのタイプに区別することができる。この四つのタイプの人生について岡田は、いくつかの興味深い考察をしている(*3)。
一つは、互いに理解しあえないタイプについてである。岡田によれば、司令型と理想型は、互いに相いれず、注目型と法則型もまた、互いに相いれない人生観をもっているという。図では、対角線上に位置する関係である。さらに岡田によれば、これら四つのタイプには、あこがれの循環関係があるという。注目型は司令型にあこがれ、司令型は法則型にあこがれ、法則型は理想型にあこがれ、理想型は注目型にあこがれるという。
反対に、司令型は注目型を軽視し、注目型は理想型を軽視し、理想型は法則型を軽視し、法則型は司令型を軽視するという循環もある。このような「あこがれ」と「軽視」の循環があるなかで、それぞれのタイプは、調子のいいときは、あこがれのタイプを実践する。
例えば注目型の人は、司令型の人生を実践する。反対に、疲れているときは、自分が軽視しているタイプを実践する。例えば、注目型の人は、理想型の人生を実践する。このような関係があると岡田はいう。
(*3)岡田前掲書、105-112頁