自己志向は四つ、他者志向は六つのタイプに分けられる
張り合い型には、NPOなどの市民活動を理想とするタイプや、スポーツやゲームなどの競技を重視するタイプなどがある。これに対して、宴会で楽しく過ごすなど、とくに追求する目標があるわけではないけれども、他者と対等な関係で時間を過ごすことが好きだという人もいる。ここでは「共生型」と名づけてみたい。
このように他者志向タイプには、「注目型」と「司令型」だけでなく、対等な人間関係のなかで人生の理想を求める「張り合い型」と「共生型」がある。ここで「注目型」は、「注目されたいタイプ」と「ある対象に注目したいタイプ(アイドルやスター選手を応援したいタイプ)」に分けられる。
また「司令型」は、「司令したいタイプ」と「司令されたいタイプ(忠誠タイプ)」に分けられる。これらの区別を踏まえると、他者志向型は六つのタイプに分けられる。これに対して自己志向タイプの人は、次の二つの軸をもちいて四つのタイプに分けることができる。
一つの軸は、いまの自分に満足して現況にとどまる(上昇しない)か、それとも、いまの自分に不満を抱いて自分を超えようとする(上昇する)かを分けるものである。もう一つの軸は、自分の人生の目標(やりたいこと)が明確に定まっているか、それとも定まっていないかを分けるものである。この二つの軸から、「新奇型」「理想型」「欲求型」「義務型」の4タイプに分けることができる。
挑戦を好む「新奇型」と、ルールを重視する「義務型」
「新奇型」は、自分の理想がまだ定まっていないけれども、新しいことに挑戦して、自分を変えたいと思っている。このタイプは、「前衛型」あるいは「逸脱型」と呼ぶこともできる。
これに対して「理想型」は、自分の理想を実現するために、明確な目標を定めて実践している。「欲求型」は、理想の追求にあまり関心がなかったり、挫折したりしがちで、自分のいまの欲求を満たすことに関心がある。
「義務型」は、とくに自分が何をしたいのか定まっていないけれども、社会のなかで求められるルールや規範を守り、礼儀正しく生きることに関心をもっている。実証的な社会調査を重視する一方で、社会はどうあるべきか、自分はどういう立場をとるか、といったことにはあまり関心がないタイプである。