人間ドラマを「博打の対象」にしたことの影響
スポーツベッティングについては、別の視点からも問題がある。例えば「スポーツ本来の魅力を破壊した」という指摘も1つ。スポーツは人間ドラマであり、素晴らしいプレーや記録の更新が人々に感動を与えてきたのだから、「博打の対象」にしてはならないという考え方だ。スポーツ観戦の世界にギャンブラーやゲーマーが入ってくることに抵抗感がある純粋なファンもいるだろう。
日本で数年以内にスポーツベッティングが爆発的に普及するとは考えにくい。「スポーツくじ」の普及を見ても、日本人のスポーツ観戦が賭け事に結びつくのは一部の話だろう。
しかしアメリカで連邦最高裁判所の決定から数年で一気に普及したように、日本でも何かのきっかけでスポーツベッティングが合法にならないとも限らない。その際、スポーツとギャンブルの関係やギャンブル依存の問題は無視できない論点だといえる。
(構成=伊田欣司)