体調変化にいち早く気づくにはどうすればいいか。医師の石井洋介さんは「うんこの変化は体調変化を知らせる最初のサインで、そこには体内の情報が詰まっている。色や形、硬さ、においなどで、私たちにサインを出している。その目安のひとつになるのが、うんこの『形』と『性状』をもとに7段階に分けた『ブリストルスケール』で医療現場でも広く使われている。日々の自分のうんこの状態を把握するためにも覚えておくといい」という――。
※本稿は、石井洋介『便を見る力』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。
うんこの変化は、体調変化を知らせる最初のサイン
皆さんは、トイレで自分のうんこをしっかり見ていますか? うんこは体内の変化に敏感に反応するため、体の不調はまずうんこに出てきます。たとえば便秘が続くと肌荒れする、とよくいわれます。
けれど実はこれ、体内で便秘と肌荒れ両方の原因となる不調が起きていて、先に便秘の方が症状として現れているというだけなのです。便秘が先に起こり、追いかけるように肌荒れが起こるので、便秘のせいと思ってしまうのですが、実は原因は同じだったりします。
うんこの変化は、体調変化を知らせる最初のサインで、そこには体内の情報が詰まっています。けれど、残念ながらそのサインは見過ごされがちです。
皆さん、鏡で自分の顔を見て肌荒れしていたり顔色がくすんでいたりすると、寝不足かな? 脂っこいもの食べ過ぎたかな? などと自分の生活や体調について振り返りますよね。
また、熱っぽかったり、くしゃみが出たり、喉が痛かったりすると「なんだか風邪っぽいな」と考えて、早めに休んだり、薬を飲んだりするでしょう。
便についてもこれと同じようになればいいと、私は思っています。うんこを見ることで、体調の良し悪しを知ることができる。
たとえば下痢っぽいときは食べ物がおかしかったかなとか、便秘気味ならストレスが溜まっているのかなというように、便の色や形から、自分の体調変化に気づけるようになってほしいのです。
自分が「風邪っぽい」かどうか、たいていの人がわかるのは普段の自分の体の状態と明らかに違うから。「熱っぽい」と言えるのも、自分の平熱を知っているからです。説明できる言葉があるから、自分の状態を把握できる。