腸内環境を改善するには、どうすればいいのか。医師の本間良子さんと本間龍介さんの共著『抗加齢専門医が教える 食事は「引き算」に変えなさい』(青春出版社)より、避けるべき食事のポイントについてお届けする――。
口から肛門までは「一本のホース」
食べものは口から入り、食道、胃を通って腸に移動します。
口から肛門までは一本の管のようになっています。そう、まるで口から肛門までは一本のホースのようになっているのです。
腸は体内にある臓器のように思われますが、実は口から入ってきた食べものを消化・吸収するための外界にある臓器です。
ですから、腸の粘膜が整っていることは、外界から体を守るためにとても重要です。
腸の状態を整えると免疫力がアップするのはそのためです。
副腎のケアには、まず食べものが最初に吸収される腸を整えることが基本。私たちが「副腎疲労外来」で行っている「腸を整える4つのR」をご紹介しましょう。
朝食が「パンと牛乳、コーヒー」という人は注意が必要
1 Remove(取り除く)
体から不要なものを取り除くことです。
副腎ケアでは「入れない」ことが重要。まず、体にとって炎症を起こす火種となる食べものや、自分の体に合わない食べものをとらないことからスタートします。
2 Replace(代替する、補充する)
腸の状態が悪い人は、腸で分泌される消化酵素が少ない傾向があります。
口からいくら食べものを入れても、腸でしっかり消化吸収できなければ意味がありません。
「若いころのように油っこいものや肉が食べられなくなった」「少食になった」という声をよく聞きますが、無理はありません。消化機能が衰えているからです。
ところが、みなさんの食生活をヒアリングしていると、最近は朝食を手軽で日持ちがするパンと牛乳、コーヒーなどで済ましてしまう人が増えています。このような食事は消化酵素を含まないため、さらに消化機能が落ちてしまいます。
そこで、毎日の食事で「消化酵素」を補う必要があります。
たとえば、肉を食べるときに必ず野菜など彩りのいい食材の付け合わせを食べることが大切です。