血流を流れる顆粒球は、好中球、好酸球、好塩基球の3種類ありますが、大部分が好中球です。好中球は細菌が侵入した時に貪食し、緑色の膿になります。好中球は肝臓や脾臓に蓄えられ、細菌が侵入した時に患部に移動します。

リンパ球が抗原を攻撃するようになるには、数日かかります。好中球とマクロファージはリンパ球が攻撃する前に、抗原を貪食することによって攻撃します。

花粉症を治すために必要なこと

前項ではTリンパ球のことを説明しましたが、体中を巡回するTリンパ球は大腸でTレグ細胞(制御性T細胞)に分化します。この分化は酪酸菌が作る酪酸が関与していることが知られています(図表7)。

Tレグ細胞は炎症抑制を行う細胞ですが、どのように抑えるか、まだよくわかっていません。しかし、何が、どのように炎症を抑えるかはそれほど重要なことではありません。何を食べると腸内細菌が炎症を抑えてくれるかを、知ればよいだけなのです。

小柳津広志『東大微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』(自由国民社)
小柳津広志『東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』(自由国民社)

私はフラクトオリゴ糖を摂るとあらゆる炎症が抑えられることを発見しましたが、野菜に含まれるフラクトオリゴ糖は、じつは、新石器時代(新石器時代は農耕が始まった時代で日本では縄文時代)以前の人は多量に摂っていたと考えられます。

新石器時代以前には米、麦、蕎麦、芋、砂糖など糖質を大量に含む食品はありませんでした。これらの糖質食品の代わりに根菜類、野草、木の実、小動物、魚介類を大量に食べていたのです。

蜂に刺されると肌が赤く大きく腫れますよね? 旧石器時代は狩猟採集をしていますので、蜂に刺され放題です。蜂に刺されて痛がっていたら狩りは続けられません。フラクトオリゴ糖を大量に摂っていると、蜂に刺されても、蚊に刺されても腫れません。ですから、旧石器時代の人々は楽々と狩りが続けられていたのです。

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