朝食は必ずとる
考える勉強は、脳のエネルギーを消費します。朝起きたらまず、脳の栄養であるブドウ糖を摂取しておきたいものです。
パンやごはんなどの主食のある朝食をとるのが望ましいですが、バナナ1本でも食べるようにしたほうがいいでしょう。
「百ます計算」で知られる教育者の隂山英男先生が提唱されているように、「早寝早起き朝ごはん」は、学習効率を高める生活スタイルの基本です。
勉強のための食生活という見地から言えば、炭水化物などの摂取を制限する「糖質抜きダイエット」は、絶対に行うべきではありません。
摂取したエネルギーの2割は脳が消費しているのですから、しっかり勉強して頭を使っていれば、多少食べていても太ることはまずありません。
東大合格者数トップの女子校では、スラリとした生徒ばかり見かけましたし、私自身も受験生のころはガリガリにやせていました。勉強こそが最高のダイエットなのです。
「夜の脳」は記憶型の勉強に最適
夜は「記憶型の勉強」をするのに向いています。
人間の脳は、夜寝ている間に情報を整理し、記憶を定着させる作業を行うので、寝る前の時間帯に勉強すると記憶に残りやすいとされています。
夜に覚えたことと朝に覚えたことを比べると、1週間後に記憶に残っている量は前者のほうが倍ほども多いということが、実験でも明らかになっています。
次のグラフは、アメリカの心理学者のジェンキンスとダレンバックが行った眠っているときと目覚めているときの記憶保持率の比較です。
この実験では寝ている間のほうが目覚めているより、記憶の保持率が高いとされています。
記憶は夜が最適といっても、一度の勉強だけでは時間が経てば、当然忘れてしまいます。
夜に記憶したことの定着率を上げるために、私は翌朝に起き抜けの復習を行うことが効果的と考えています。このとき、ただ読み返すだけではあまり頭に残らないので、できれば書いて復習するほうがいいでしょう。一番理想的なのは問題を解く形式で復習をすることです。
大人の勉強における最大の敵は、復習をしないことです。覚えたことを無駄にしないために、必ず復習することを意識してください。詳しい復習の方法は、本書(『頭がいい人の勉強法』)でご紹介しています。