洗面所にトイレで入り口が広くとれる

トイレの空間が狭くなると、普段から出入りしづらく、病気やケガで動きが制限される際などには使用できなくなるかもしれません。

それを避ける工夫としては、洗面脱衣所にトイレを組み込むという方法があります。そうすると入り口が広くとれますし、空間的には洗面脱衣所とひと続きになるので、暖房もしやすくなります。ろうかの空間が不要になるため、収納などに割り振れます。

ただ、デメリットもいくつかあります。いちばんのマイナス点は「におい」。洗面脱衣所を使うときに、トイレのにおいが気になることもあるでしょう。

扉がありませんから、誰かがトイレを利用するタイミングで、お風呂にも入りづらいものです。対策としては、脱臭性能の高い便器や、適切な換気システムを採用すると、においがだいぶ軽減できます。

どうしても視線が気になるなら、カーテンで仕切るという手もあります。「トイレは必ず個室でなければならない」という決まりなどありません。状況に合わせた選択をしましょう。

トイレや浴室に窓を設けないと断熱性が上がる

トイレや浴室に窓を設けるのも、「あたりまえ」のひとつかもしれません。確かに窓があれば、自然光が入ってよいのですが、「換気や通風のために窓が必要」と考えているなら、それは勘違いです。

現代の換気設備や便器の進化で、よどんだ空気は窓がなくとも十分に換気できます。その点は、窓を設けずとも問題ありません。

トイレや浴室に「窓を設けない」メリットは、いくつもあります。まず前述した通り構造的な弱点である窓を減らせ、断熱性を上げ、掃除の手間も省けます。また、トイレや浴室を外壁側ではなく建物の内側に配置するという選択肢が加わることで、間取りの自由度がより高まります。そうして設計上の課題を解決できるようになるケースも多いです。

マンションやアパートでは、トイレや浴室に窓がない部屋は日常的にありますが、それで不便を感じている人はほとんどいないはずです。

「あたりまえ」に縛られず、柔軟に検討することで、間取りの可能性は広がります。