家づくりで後悔しないためには何に気をつけるべきか。一級建築士でYouTuberのげげさんは「かわいいわが子のための部屋は『とっておきにチャーミングにしたい』と親の思いを全開で表現するのはやめるべきだ。10年も経たないうちに、『かわいい子ども部屋』は『使いづらい部屋』へと変わり、結果的に物置になるケースは多い。40年、50年と住み続ける家のために、できるだけシンプルなデザインにしておくのがおすすめだ」という――。

※本稿は、げげ『後悔しない家づくりのすべて』(サンクチュアリ出版)の一部を再編集したものです。

子供部屋の風景
写真=iStock.com/Lan Zhang
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「2階にトイレは必要なのか」の最終結論

注文住宅において、近年の定番といえるのが、「2階にもトイレ」です。

1階と併せて2つのトイレを設けるのを、あたりまえと考えている人もいるでしょう。

そうしてなんとなくトイレを2つ依頼する前に、考えてほしいことがあります。

私のリサーチにおいて、建築後に2階トイレを頻繁に使用しているという話を聞いたことがありません。「掃除が面倒だからできるだけ1階を使う」という人もいます。それほど使用頻度の低い設備に予算と空間を割く必要が、果たしてあるでしょうか。

確かに、トイレが2つあれば、家族の「朝のトイレ渋滞」は解消でき、2階で過ごしているときには下に降りずに用が足せて便利です。

一方で、便器、換気扇といったトイレ空間の費用だけでなく、ドアなどの建具も追加せねばならず、合計で50万円前後、コストが増えます。

掃除の手間が2倍に増え、1日に1度は使わないと排水管のにおいが逆流してくることもあります。メリットとデメリットを天秤にかけ、納得したうえで選ぶ必要があるでしょう。