朝4時起きは肉体的にも精神的にも負担がかかる

ちなみに、バリバリ仕事をしているビジネスパーソンの中には「朝2時起き」「朝4時起き」といった「極端な早起き」を実践する方がいらっしゃいます。

なぜ、こうした極端な早起きが可能なのでしょうか?

それは、体内時計に「履歴効果」と呼ばれる機能が備わっているからです。

「履歴効果」とは、何でしょうか?

簡単に説明すると、過去に同じリズムを続けていると、そのリズムを続けやすくなる性質を持っているということです。

ですから、朝2時起きや朝4時起きといった極端な早起きであっても、それを強制的に続けていると、そのリズムを維持しやすくなります。

結論から言えば、朝2時起きや朝4時起きといった極端な早起きは、やってできないことはありません。しかし、可能だからと言って、「実践していいですか?」と問われれば、私の答えは「NO」です。

なぜなら、太陽が上がらないうちに起床をすると、メラトニンの分泌を抑えることができない状態で無理矢理、体を起こすことになってしまうからです。

少なくとも東京で、朝の4時に太陽が上がってくることはありません。

ホルモンバランス的にはまだ寝ているのに、体だけ無理矢理起こしてしまうと、肉体的にも精神的にも負担がかかってしまいます。

朝5時半起きが「体に負担がかかりにくいギリギリのライン」

そのように考えると、理想的なのは、朝起きてから、比較的すぐに太陽の光を浴びることができる時間に起きることです。

そこで、実際に「東京の1年間の日の出の時間」を調べてまとめたのが、図表1のグラフになります。

「1年の間で、平均的な日の出の時間が何時なのか」を調べてみると、東京の場合、春分や秋分の時期の「朝5時半くらい」が1つの目安になります。

先ほど説明をしたとおり、体内時計には履歴効果があるため、いったん習慣を身につけてしまえば、同じ習慣を続けやすくなります。

履歴効果を活かして、太陽が早い時間に上がってくる「春分から秋分の半年間」で朝5時半起きの習慣を身につけましょうというのが、私の主張でした。

日の出の時間が遅い冬の季節は、起きるのが少しつらく感じられるかもしれません。

しかし、春分から秋分の半年間で身につけた生活習慣の履歴効果によって、残りの半年間を乗り切ることが可能になります。

このように、様々な点を考慮すると、朝5時半起きが「体に負担がかかりにくいギリギリのライン」なのです。