中高年に朝5時半起きが不向きな理由

さて、ここまでをご理解いただいたうえで、本題に入りましょう。

中高年の方の中には、朝5時半、もしくはその前の時間帯に起きて、早朝から散歩をしている方が数多くいらっしゃいます。

しかし、こうした早起きは、中高年の方々にはオススメできません。

なぜなら、朝5時半起きは、あくまでも若いビジネスパーソン向けの習慣であって、中高年の方々の睡眠習慣としては、明らかに不向きだからです。

なぜ、中高年の方々にとって、朝5時半起きは不向きなのでしょうか?

その理由は、中高年は1日のサイクルをできる限り遅らせた方が良いからです。

分かりやすくイメージしていただくために、子どもと高齢者の睡眠を比較してみましょう。

祖父母と孫が一緒に寝るイメージ
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

高齢者と違い、子どもは体力(起きている力)だけでなく、睡眠力(眠れる力)もあります。

ですから、例えば、起きている時間が17時間、眠っている時間が8時間だとすると、1日が25時間になってしまいます。

これに対し、高齢者は体力も睡眠力も落ちてしまっています。

仮に起きている時間が15時間、眠っている時間が7時間だとすると、1日が22時間になってしまいます。

先の記事でお話ししたように、ヒトが眠れる時間はどんどん短くなっていきます。

この時間を長くすることはできません。

ですから、1日を24時間にするためには、起きている時間を15時間でなく、がんばって17時間に延ばす必要があるのです。

「眠る努力」より「起きている努力」を

実は、睡眠における努力の方向性は1つしかありません。

例えば「眠る努力」と「起きている努力」、仮に2つの努力の方向性があるとするならば、あなたにできるのは、いったいどちらでしょうか?

例えば、眠くもないのに「眠る努力」をしても、絶対に眠ることはできません。

あなたにも経験があると思いますが、「眠らなければならない」と思えば思うほど、逆に目が覚めてしまうものです。

ヒトは「眠る努力」はできません。あなたにできるのは「起きている努力」だけで、それこそが「睡眠における唯一の努力の方向性」なのです。

さて、「体内時計の履歴効果」と「睡眠力の低下」について、ご理解いただいたうえで、「どのような習慣を作っていくべきか」について、具体的に話を進めていくことにしましょう。

健康寿命を延ばしたり、アンチエイジングをしたりするのに欠かせないのが「成長ホルモン」です。

中高年の睡眠を考えるうえでは、「成長ホルモンの分泌量をいかに増やすか」が大事で、ここがゴールと言っても過言ではありません。

次からは「成長ホルモン」について、詳しく解説します。