1800万円の枠をすべて使いきれなくても問題はない

新NISAが生涯投資枠1800万円をできるだけ早く埋める入金ゲームだったとしても、投資は余裕資金で気長にやるべきもの。

「1800万円の壁」はかなり大きく、手ごわいのです。

新NISAのもう一つのメリットは「死ぬまで非課税運用できる」ことですから、できるだけ早く運用できない分は、できるだけ長く運用することでカバーしましょう。

2023年で終了するつみたてNISA同様に、毎月3万3000円、年間40万円の資金で「1800万円÷40万円=45年間」かけて、気長に1800万円の枠を埋めてもいいのです。

45年間といえば、25歳ではじめて69歳までかかってしまう計算ですが、途中、60歳になった時点でつみたてをやめて、新NISAの非課税枠すべてを使い切れなくても別に問題はありません。いざというときに必要な現金を十分に確保したうえで投資することのほうが大切です。

ほったらかし運用の期間をどれだけ長くできるかが重要

ここまで読んだ方なら、新NISAの運用ステージは、

(1)入金期間
(2)ほったらかし期間
(3)集金期間

という3つの期間に分かれていることに気づくはずです。

入金期間は、新NISAの生涯投資枠1800万円分の投資元本を埋めるべく毎月つみたて投資を続ける期間です。新NISAの年間投資枠の上限は360万円ですから、毎月30万円が入金額のマックスです。

ほったらかし期間は、1800万円を入金したあと、ほったらかしにして複利運用に励む期間です。すでに生涯非課税投資枠を使い切っているので、もう新NISA口座に追加入金はできません。

つまり、新NISAの運用というのは、投資元本の上限1800万円を頑張って埋め切ったら、あとはお金自体に勝手に働いてもらって、お金を増やしてもらうこと以外、何もやる必要がないということです。

ほったらかし期間が長ければ長いほど複利運用の効果で資産は加速度的に増えます。ほったらかし運用の期間をどれだけ長くできるかが、60歳以降の取り崩し額を決めるといってもいいでしょう。

むろん、これまでせっせと新NISA口座につみたて投資をしてきて、枠が埋まったから急に新規投資を止めてしまうのも、もったいないもの。その後も資金に余裕があれば、課税口座を使ってつみたて投資を続けてもいいでしょう。

コイン
写真=iStock.com/Khanchit Khirisutchalual
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