新NISAではどんな投資をすればいいのか。SBIグローバルアセットマネジメント社長の朝倉智也さんは「1本で幅広く世界に分散投資できる『全世界株式インデックスファンド』を選ぶといい」という――。(第2回)

※本稿は、朝倉智也『私が50歳なら、こう増やす!』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

株価ボードを見る男性
写真=iStock.com/chachamal
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私が考える最も成功確率の高い運用方法

何度「リスクを抑えて運用すればよい」といわれても、ハイリスク・ハイリターンと聞くと、「やっぱりこわい」と思う方は多いと思います。

しかし私は、幅広く世界の株式に投資をすることは、私たちが取りうる、最も成功確率の高い運用方法だと思っています。

私自身、資産の大半を何らかの形で株式に投資していますが、その意味をよく知っているので、こわいと感じたことはありません。

こわくないということを腹に落とすには、「世界の株式に投資する意味」をしっかり理解しておくことが必要です。

図表1をご覧ください。棒グラフが世界の名目GDPの推移、折れ線グラフは世界の株価の動きを示すMSCI全世界株価指数の推移です。

株価の推移を見ると、たしかに大きく下落している局面があります。1999〜2000年にネットバブルが崩壊したタイミング、2008年のリーマン・ショックのタイミングでは株価が大きく落ち込んだことが見て取れますし、最近では2020年のコロナ・ショックによる急落もありました。

しかしこうした時期があっても、その後、株価は必ず回復しています。グラフからは、「長期では、世界のGDPも株価も、右肩上がりに伸びてきた」ということがわかるでしょう。

世界経済が成長を続けるワケ

なぜ、世界経済は成長を続けることができたのでしょうか?

それは図表1の中に示したように、世界経済を牽引する企業がずっと現れ続けてきたからです。

ネットバブルがはじける前、アメリカではアマゾン・ドット・コムやイーベイ、ペイパル、グーグル(現アルファベット)、セールスフォース・ドットコムなどが次々に立ち上げられ、中国でもテンセントやアリババ、バイドゥなど、のちにメガテックと呼ばれる企業が誕生していました。

ネットバブル崩壊後には、テスラ、リンクトイン、フェイスブック(現メタ)、スポティファイなどが次々に登場しています。

リーマン・ショックの最中には、エアービーアンドビー、スラック、ウーバーなどが生まれ、その後もズーム・ビデオ・コミュニケーションズやラインの登場が続きました。

こうしてみると、世界では人々が次々にイノベーションを起こし、先進的な企業が生まれ続けてきたことがよくわかります。

では、今後はどうでしょうか?