尿に白っぽい浮遊物が混ざることもありますが、女性の場合は生理的なものであり、問題ありません。男性の場合は、やはり前立腺炎や尿道炎が疑われます。尿のにごりで疑われる病気では、たいていは排尿痛や、腰や背中の鈍痛、発熱、頻尿なども見られます。
前立腺肥大症の手術や投薬治療を受けている男性では、射精後に尿がにごる場合もあります。通常、射精するときには膀胱の出口が締まりますが、手術や薬の影響で、精液が膀胱へ逆流してしまう「逆行性射精」が起こることがあるためです。
逆行性射精は、健康上、問題があるわけではありません。とはいえ、尿のにごりでは感染症の可能性も否めませんから、気になったらすぐに泌尿器科の受診をおすすめします。
病院に行ったほうがいい「尿の臭い」の特徴
【尿の「臭い」――多くは「気のせい」、ほかの症状も見られたら病院へ】
通常、尿の臭いのベースはアンモニアですが、飲み食いしたものに左右されることもあります。たとえば、お酒を飲みすぎた翌日に、尿が臭うように感じられたら、それはアルコールを分解する際に生じるアルデヒドという物質の臭いです。
また、稀に子宮筋腫や膀胱がん、子宮がんの手術で膀胱と大腸が癒着してしまい、尿がウンチ臭くなることがあります。これはかなり深刻な症状です。
このように、尿が通常とは違う臭いになることはありますが、薬や飲み食いしたものによって変化するのは基本的に問題ありませんし、ウンチ臭くなるケースは稀です。したがって尿の臭いには、それほど神経質になる必要はありません。
しかし、明らかにいつもと違う悪臭がしたら、からだに何らかの異常が起こっている可能性が考えられます。尿から甘いような香りがするのは、糖尿病が進んでいるサインであるということは、前にも述べました。
その他、炎症性や化膿性の病気が泌尿器に起こっていると、尿が悪臭を放つことがあります。その場合、多くは尿がにごるなど、ほかの症状も起こります。
尿の臭いは気のせいであることが多いのですが、もし、臭いに加えてにごりなど複数の症状が見られたら、念のため泌尿器科を受診するといいでしょう。