モノが少なければ「迷い」も減る

そうした失敗を経て、50歳ぐらいから、服に限らず、モノを厳選し始めました。

身のまわりのモノが少なければ、それだけ「迷い」が減りますし、自分にとって本当に必要なモノかどうか、厳選して買うようになります。

ムダづかいも減ってきて、まさにいいことづくめです。

私は、3年後の退官日に向けて、大学の教授室の片づけも始めています。

退職でも転勤でも、退く日が近づいてから、机を片づけ始める人が多いと思いますが、私は今から片づけを始めています。

退官後のステージを見据えながら、デスクまわりのモノを取捨選択していますから、3年前でも決して早すぎることはないと思っています。

きっと、退官の1年前には机だけの状態になり、次の人にもスムーズに引き渡せるでしょう。

「仕事ができる人」の机はなぜきれいなのか

私の経験上いえることですが、仕事ができる人というのは、もれなくデスクまわりがきれいです。「片づけ」ができていて、机の上がスッキリしているということは、やるべきことと、やらなくていいことの整理が、頭のなかできちんとできているということ。

デスクまわりがきれいだと自律神経も整い、心も体も安定してきますから、仕事のパフォーマンスも上がります。

オフィスでコンピュータデスクを掃除する女性
写真=iStock.com/urbazon
「仕事ができる人」の机はなぜきれいなのか(※写真はイメージです)

ところが、散らかっていると、自律神経は乱れてばかりです。

たとえば、重要な書類を上司から手渡されたときのことを考えてみてください。その瞬間、どこに置くかという選択があるはずなのです。

整理整頓ができない人というのは、あとでしまう場所を考えようと、何気なくポンと机の上に置いてしまう。そうこうするうちに、電話がかかってきたり来客があったりして、気づけば書類の山のなかという状態に陥ってしまいます。