「納めるべき税金をすべてお支払い」する
文春によると、その節税額は800億円にも上るという。まさに究極の相続税逃れである。
だが今回、ジュリー氏は手紙の中で、
「ジャニーとメリーから相続したとき、ジャニーズ事務所を維持するためには事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれをやめて、速やかに納めるべき税金をすべてお支払いし、会社を終わらせます」
800億円以上の相続税を払うことができるというのだから、ジュリー氏の資産は一体いくらあるのだろう。
新会社になっても100%株主はジュリー氏だが、その後、廃業するにあたって、その株はどうなるのだろうか。一部では、補償会社であるうちにどこかへ売り払うのではないかという見方もあるようだが、社名は変わってもそんなケチの付いた会社を買うところがあるのだろうか。
具体策は「ジャニー」の名前を消しただけ
最後に、何度もいうが、東山社長はジャニー喜多川の性加害について、自分は噂として聞いてはいたが、ジャニー喜多川の性加害は知らなかったといい張っている。だが、ジャニー喜多川の“お稚児さん”として有名だった東山社長が、何も知らないというのはいかにも不自然である。
ジュリー氏と東山社長のこの“言動”が真実かどうか、外部の識者(弁護士、それもヤメ検である必要はない)による第三者委員会を立ち上げ、徹底的に調査してもらったらどうだろう。
「SMILE-UP.」と新会社のトップが、ともに「疑惑」を抱えていては、企業側の理解をえられないこというまでもない。
会見を見て、私はこう思った。ジュリー前社長が1人で会見に臨み、すべてを洗いざらい話し、非を認め、被害者たちに許しを請うことしか道はないのではないか。
性加害の調査も道半ば。新会社の社名もファン頼み。資本金はどうするのかも不透明。幼馴染のようなジュリー氏と東山氏しか人材がいないのか。具体策はジャニーの名前を消しただけでは、今回の会見も失敗だったと断じざるをえない。