中国人の中国人による中国人のための店舗
日本ではどうか。東京という大都市の原宿、池袋、高田馬場といった家賃の高い場所で100円の中国茶ドリンクを販売して利益は出るのだろうか。
蜜雪氷城の海外店舗の加盟店オーナーの多くは華僑、華人であり、店舗スタッフも在住の中国人だ。そのため、日本語など現地の言葉で注文ができるのは当然としても、中国語も通じる。興味深いのは、顧客ターゲットに据えているのは、現地の人ではなく、在住の中国人であり、中国人旅行者だ。
中国のコロナ禍は完全に収束をし、海外への渡航も緩和が続いている。その中国人たちが、中国ブランドの蜜雪氷城に立ち寄ってくれることを期待している。
特に原宿は、蜜雪氷城の他にも激安アパレル「SHEIN」(シーイン)、フィギュア玩具「ポップマート」などの中国企業の店舗があり、中国の若者にとっては、東京に旅行にきたら必ず立ち寄る場所になっている。
池袋はアニメの町ということもあるが、在日中国人が多い。高田馬場は中国人留学生と予備校生であふれている。
蜜雪氷城の海外店舗は、中国人の中国人による中国人のための店舗になっている。単なる激安だけではなく、何から何まで考え抜かれているチェーンなのだ。