秋篠宮の次女、佳子さまが、昨年改修が終わった秋篠宮邸に移らず仮住まいしていた「分室」で一人暮らしを続けている。神道学者で皇室研究家の高森明勅さんは「佳子さまの一人暮らしの背景には、皇室に残るつもりはないというご本人の意思があるのではないか」という――。
「第22回東京都障害者ダンス大会 ドレミファダンスコンサート」を見学される秋篠宮家の次女佳子さま。2023年7月17日午後、東京都渋谷区の東京体育館
写真=時事通信フォト
「第22回東京都障害者ダンス大会 ドレミファダンスコンサート」を見学される秋篠宮家の次女佳子さま。2023年7月17日午後、東京都渋谷区の東京体育館

宮内庁の説明不足が招いた混乱

昨年9月、秋篠宮邸の改修工事を終え、秋篠宮家の皆さまは同邸にお移りになる、と見られていた。しかし、ご次女の佳子内親王殿下だけは、「分室」(旧御仮寓所きゅうごかぐうしょ)でお一人暮らしを続けておられる。この事実について、宮内庁が十分な説明を行わないために、さまざまな臆測が広がっている。

現在、ご公務に熱心に取り組んでおられる佳子殿下。ご家族が秋篠宮邸(本邸)にお移りになってからも、分室でお一人暮らしされていることが今年の1月ごろから一部の週刊誌などで取りざたされるようになった。

その当初、宮内庁サイドは警備上の配慮とプライバシーを理由として、きちんとした説明をしなかった。

ところが、ずいぶん遅れて去る6月30日、秋篠宮家をお支えする皇嗣職のトップ、加地隆治・皇嗣職大夫が急遽、宮内庁詰めの記者たちにプリントまで配って、こんな趣旨の説明をした。

「経費を削減する目的」で眞子さま、佳子殿下は引き続き分室にお住まいになる前提で、宮邸にはお2人のお部屋は設けなかった。眞子さまはご結婚により皇室を離れ、佳子殿下がお1人で分室で暮らしておられる、と。

しかし、いつ計画を変更したのか、発表が大幅に遅れたのはなぜか、具体的な経費削減額などについて、まともな回答がなかったことから、かえって混乱を増す結果になった。

しかもその後、分室の改修工事がさらに追加されることも分かった(7月18日、テレ東BIZ)。

これまで知られている事実を総合すると、秋篠宮邸の改修工事に着手した令和2年(2020年)3月の時点では、佳子殿下がご家族とは別にお1人で暮らされる予定ではなかったと考えられる。その後、何らかの事情で佳子殿下はお1人暮らしを決められた。その事情とは何か。

佳子さまの予定を変えた「眞子さんのご結婚」

この間で最大の出来事は、もちろん眞子さまのご結婚だ。

眞子さまのご結婚に当たり、秋篠宮殿下のご判断でまったく異例ながら、「納采のうさいの儀」など一切の関連儀式を取りやめられた。その結果、天皇陛下へのお別れのごあいさつの機会である最も大切な「朝見ちょうけんの儀」も行えなくなった。

これでは、畏れ多いが、皇室から“石もて追われた”に近い。ただし、昭和天皇・香淳皇后の御陵に参拝され(令和3年[2021年]10月12日)、さらに皇居・宮中三殿にも私的にお参りされる(同年10月19日)ことで、ギリギリ皇室とのご縁がつなぎ留められたともいえる状態だった。